利益を前にしたときは、その利益が義にかなっているかどうかを考えなさい、と言う意味になります。
『論語』憲問篇にでている言葉です。
孔子の弟子である子路さんが、成人すなわち完全な人格者とはどんな人でしょうか、と尋ねたときの
孔子の答です。
見利思義、
利を見ては義を思い、
利益を前にしたときは、その利益が義にかなっているかどうかを考え、
見危授命、
危うきを見ては命を授け、
生命の危機になるような大事件に臨んだ場合には、
いさぎよく生命を投げだす覚悟でのぞみ、
久要不忘平生之言、
久要は平生の言を忘れざる、
古い約束は、平生の自分の言葉を忘れないで実行する、というようであれば、
亦可以爲成人矣。
亦以て成人と為すべし。
今日では、こういう人をいちおう完成した人と言ってよいだろう。