知《認識》と行(実践)とは一致させなければならず、不可分な関係にあるということを表した四字熟語です。
実践を重視する明(ミン:1368年~1622年)の王陽明(オウヨウメイ:1472年~1528年)が唱えた学説です。
南宋(1127年~1279年)の朱熹(シュキ:1130年~1200年)が唱えた【先知後行】に対して、
【知識】と【行為】は一体のものであって、眞の【知】は必ず【行】をともない、
知って行なわないのは眞の知でないと説いたものです。
【知行合一】は『伝習録』にでています。
『伝習録』は王陽明の語録と書簡を集めた陽明学の書です。
王陽明の門人の徐愛(ジョアイ)らが王陽明の言や書簡を筆録したとされています。
『伝習』の言葉は『論語』學而篇の「伝不習乎:伝えて習わざるか」に基づくと言われています。
朱子學から脱却しきれない門弟に対して、丁寧に比喩などを用いながら学説を説明したものです。
先生曰 先生曰く、
先生が仰(おっしゃ)いました、
某嘗説 某(それがし)嘗(かっ)て説(と)けり、
私が以前に言ったことだが
知是行的主意 知は是れ行の主意、
知は行の目的であり
行是知的功夫 行は是れ知の功夫(クフウ)、
行は知の実際の修業である
知是行之始 知は是れ行の始にして
知は行の始めであり
行是知之成 行は是れ知の成なりと。
行は知の完成である。
『論語読みの論語知らず』と言う言葉があります。
表面的に理解するだけで、論語の本質を理解できてないこと、また実践しないことをいいます。