【犬馬(ケンバ)の養(やしな)い】と、読みまして、犬や馬を養うような孝養を言います。
親に対して敬(うやま)う心のないことを、犬・馬を例にとって説明した言葉です。
出典は『論語』為政篇です。
子游問孝。
子游、孝を問う。
弟子の子游が孝行について尋ねました。。
子曰、今之孝者、是謂能養。
子曰く、今の孝は是れ能く養うを謂う。
孔子が言いました。今どきの親孝行は(親を不自由させずに)、ただ養えば良いと
いうことのようだ。
至於犬馬、皆能有養。
犬馬に至るまで皆能く養う有り
(しかし人は)犬や馬のような家畜でも養っているのだから、
不敬、何以別乎。
敬せずんば何を以て別(わか)たんや。
(養うだけで)親を敬う気持ちがなかったら、(犬や馬を飼うのと)どこが違うというのか。
(親を尊敬をもって孝養してこそが本当の孝行なのだ)
孔子が生きていたのは、今から2500年も前です。
その時に、『今どきの親孝行は』、という話が出てたとは。