内にも外にも悩み事があること。この場合の内外は、国の内外ということです。会社組織における悩み事を表すときにも使われます。
中国は春秋時代、魯の成公16年(BC575年)、晉と楚の間で「鄢陵(えんりょう)の戦い」が始まりました。晉の范文子(はんぶんし)が
「・・・・。ただ聖人だけが、完全に内外の患(うれい)をなくせるのだ。われわれは聖人ではないから、その患(うれい)をなくすることは出来ない。ふつうは外が治まれば、必ず内の憂が起こるものだ。この際は楚を外の心配事として残し、国内の団結強化に役立てるべきであろう」と退却を主張しました。 ここで「内憂外患」の類似の言葉「内外無患」の言葉が出てきました。実際の原文(読み下し文)では、「唯聖人のみ能(よ)く内外患(うれい)なし」 すなわち「内外無患」とあって「内憂外患」とはなっていませんでした。
「鄢陵(えんりょう)の戦い」の史実は、楚の弱点をついて晉が勝利しました。 『春秋左氏伝 成公十六年 晉、楚・鄭を破る』
いまの日本は内憂もあり外患もありで、二進(にっち)も三進(さっち)もいかない状態です。 ここは一番、聖人が出てきてほしいのですが、何処に居るのやらサッパリです。