【時(とき)に及(およん)んで當(まさ)に勉勵(ベンレイ)すべし】と読みまして、しかるべき時を失うことなく、何事につけても励むべきである、という意味です。
出典は陶淵明の雑詩十二首の内の『其の一』です。
人生無根蔕 人生 根蔕(コンテイ)なし
人生は 根も蔕もない
飄如陌上塵 飄(ヒョウ)として陌上(ハクジョウ)の塵(ちり)の如し
あてもなく舞い上がる路上の塵のようなものだ
分散逐風轉 分散して風を逐(お)いて轉(テン)ず
風のまにまに吹き散らされて、
此已非常身 此れ已に常の身に非ず
一定不変の我が身に非ず
落地爲兄弟 地に落ちて兄弟と爲る
この世に生まれて 皆兄弟
何必骨肉親 何ぞ必ずしも骨肉の親のみならん
どうして肉親だけが親しいの
得歡當作樂 歡を得ては當に樂しみを作すべし
歓楽の時は大いに楽しみ騒ごう。
斗酒聚比鄰 斗酒 比鄰を聚む
一斗の酒で 隣近所を集め
盛年不重來 盛年 重ねて來らず
血気盛んな時は、二度と戻ってこない
一日難再晨 一日 再び晨なりがたし
一日に朝は二度目とは来ない
及時當勉勵 時に及んで當に勉勵すべし
よい時を得たなら 精一杯楽しむのだ
歳月不待人 歳月は人を待たず
歳月は人を待ってはくれないのだから