人は満足することのない欲望に苦しむ者である。人の欲望にはかぎりがないことをいいます。
出典は『後漢書』岑彭(シンホウ)傳です。
後漢(ゴカン)の光武帝(コウブテイ)が岑彭に下した勅(みことのり)の一文です。
両城若下、便可將兵南撃蜀虜。
両城若し下らば、便(すなわ)ち兵を將(ひき)いて南のかた蜀の虜を撃(う)たしむべし。。
二つの城がもし降伏したならば、さらに軍を進めて南の蜀を討伐させるのがよい。
人苦不知足。
人は足るを知らざるに苦しむ。
人間の欲望には限りがないものであるから、こまったもんだ。
既平隴復望蜀。
既に隴を平(たい)らぐれば復(ま)た蜀を望む。
隴の地を平定すれば、更に蜀が欲しくなる。
毎一発兵、頭鬚爲白。
一たび兵を発する毎(ごと)に、頭髪、為に白し。
兵を発するたびに白髪も増える