【読書 甚解(ジンカイ)を求めず】と読みまして、書物を読むのに厳格に完全に理解することはしない、という意味になります。
陶淵明が、自らを五柳先生と称して、自分の伝を書いた『五柳先生傳』の中にある言葉です。
家の傍に五本の柳の木があったことから、『五柳』を雅号としたようです。
閑靜少言,不慕榮利。
閑靜にして言少なく,榮利を慕(した)はず。
ひっそりとしていて、言葉数も少なく、名誉や利益をほしがらない。
好讀書,不求甚解,
書を讀むを 好めど,甚だしくは解するを 求めず,
読書を好むが、完全に理解することはしない。
毎有會意,欣然忘食。
意に會(かな)ふこと有る毎に,欣然(キンゼン)として食を忘る。
意にかなうことがある度に、よろこんで、食事することも忘れる。