【蘭陵(ランリョウ)の美酒 鬱金香(ウッコンコウ)】と読みまして、蘭陵の美酒は鬱金の芳しい香がする、という意味です。
出典は、李白の詩 『客中行(カクチュウコウ)』です。
【蘭陵】は、山東省の南端にある町です。
【鬱金】は、草の名。香の原料。その香りを酒に加えて、香りをつけます。
この詩は、李白が30代半の頃、山東省の辺りを旅した時の作とされています。
故郷を離れてほぼ10年、故郷が恋しくなる頃だったのかもしれません。
店の主人の快いもてなしを受け、喜びと感謝の気持ちが述べられているように思われます。
蘭陵美酒 鬱金香
蘭陵(ランリョウ)の美酒 鬱金香(ウッコンコウ)
蘭陵の美酒は鬱金の芳しい香りがし、
玉椀盛來琥珀光
玉椀(ギョクワン)盛り来(きた)る琥珀(コハク)の光
玉の杯になみなみとつがれ、琥珀色の光をたたえる。
但使主人能醉客
但(ただ)主人をして能(よ)く客(カク)を酔わせしめば
ただ主人が、旅人の私を充分に酔わせてくれるならば、
不知何處是他鄕
知らず 何(いず)れの処(ところ)か是(これ)他郷(タキョウ)
どこが他国で、どこが故郷か、そんなことはかまうものか。
日本酒の日
全国酒造組合中央会が1978年(昭和53年)に制定した日。新米による酒造にかかるのが10月であること、かつては酒造年度が10月1日(現在は7月1日)であったという理由からのようです。