よく切れる刀で、もつれた麻の糸を断ち切るという意味から、複雑な問題や紛糾して解決の難しい事態を、見事に処理することをいう四字熟語です。
【快刀乱麻を断つ】または【快刀乱麻を斬る】を略したものです。
中国の正史、二十五史の十番目『北齊書:ホクセイジョ』の文宣(ブンセン)帝紀に、
【快刀乱麻】そのものズバリではありませんが、意味合いが【快刀乱麻】と思われるエピソードが載っています。
高祖嘗試觀諸子意識、
(北斉の)高祖(高歓:コウカン)はかつて、自分の息子たちの判断力を試そうと考えました。
各使治亂絲、
息子たちに、からまった糸の固まり(乱麻)を渡して、乱れを解(ほど)くように命じました。
(子供たちはこの糸の固まり(乱麻)を解こうとして、苦労してましたが、)
帝獨抽刀斬之、
(この時)ひとり高洋(後の文宣帝)だけが刀で、この糸の固まり(乱麻)を二つに斬り、
曰、亂者須斬。
秩序を乱した者は斬らなくてはなりません、と言いました。
高祖是之。
高祖はこれを(みて高洋は見込みがあると思い)よしとしました。
【快刀乱麻】を【怪盗乱麻】と聞き違えることもあるようです。