勝手気ままに、わがもの顔に、大手を振って伸(の)し歩くことを表した四字熟語です。
【横行】は、横に歩くということから、勝手気ままに行動するということを表します。
【横行】をもっと積極的にやりますと、【横車を押す】ということになります。
【闊歩】の【闊】は「ひろい」と言う意味で、大またに歩くことを【闊歩】といいます。【闊歩】そのものには
特に悪い意味はないのですが、【横行】と組み合わされてあまり良いイメージを持たれない
言葉になってしまいました。
【横行闊歩】と、まとまった四字熟語としては中国古典には見られませんが、【横行】はよく使われています
『荘子』雑篇・盗跖
盗跖(トウセキ)、従卒九千人、天下に横行し、諸侯を侵暴し、・・・・・・・。
『荀子』脩身篇
拘守(コウシュ:分を弁える)して詳(つまびら)かにせば、天下に横行し、・・・・・。
『史記』伯夷伝
盗跖は日に不辜(フコ)を殺し、・・黨数千人を聚(あつ)め、天下に横行するも・・・・。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の七章に【横行闊歩】が使われています。
さあ猿股が出来ると世の中で幅のきくのは車夫ばかりである。あまり車夫が猿股をつけて天下の大道を
我物顔に【横行濶歩】するのを憎らしいと思って負けん気の化物が六年間工夫して羽織と云う無用の長物を
発明した。すると猿股の勢力は頓(とみ)に衰えて、羽織全盛の時代となった。
【横行闊歩】に類義の四字熟語です。
【横行覇道】 オウコウハドウ
【横行不法】 オウコウフホウ
【横行跋扈】 オウコウバッコ
【跳梁跋扈】 チョウリョウバッコ
【飛揚跋扈】 ヒヨウバッコ
【跋扈】は、わがままに振る舞うことを。また、臣下が権威をほしいままにして人君を
おかすことも表します。