【人の禍(カ)有るを見て、我が禍(カ)無きの安(やす)らかなるを知る】と読みまして、他人の禍を見て我が身に禍がないことが、まことに安らかである事が分る、という意味です。
出典は『言志晩録』192条です。
見人之有禍、知我無禍之爲安。
人の禍か有るを見て、我が禍無きの安らかなるを知る。
他人の禍を見て我が身に禍がないことが、まことに安らかである事が分る、
見人之有福、知我無福之爲穏。
人の福有るを見て、我が福無きの穏かなるを知る。
他人が幸福であるのを見て、自分は幸福でない為に、
他人から妬(ねた)みを受けずかえって心の安穏を得ることを知る。
心安穏處、即身極楽處。
心の安穏なる処は、即ち身の極楽なる処なり。
心の安穏な所が、即(すなわ)ち肉体的にも極めて田もしい場所なのである。