【三月(サンゲツ)、肉(ニク)の味を知らず。】と読みまして、あることに夢中になって、大好きな【肉の味を忘れてしまった】、という意味です。
出典は『論語』述而第七です。
孔子が斉の國で韶(ショウ)の音楽を聴いて、感動し三か月間、当時、最高の食物であった肉を食べても、その味さえわからなかったということでした。
子在齊聞韶。
子、斉に在(あ)りて韶(ショウ)を聞く。
孔子が斉の國で、韶の音楽を聞いて、
三月不知肉味。
三月、肉の味を知らず。
(そのあまりの美しさ、素晴らしさに魂を奪われて)
三か月間、肉を食べても、その味さえ分からなくなった。
曰、不圖爲樂之至於斯也。
日く、図(はか)らざりき、楽(ガク)を為すことの斯(ここ)に至るや。
そこで孔子が言いました
音楽のもたらす感動が、これほどまでに深いとは思いもしなかった。
孔子は、よほど韶(ショウ)に感動したのでしょう。
八佾第三で次のように述べています。
子謂韶、盡美矣、叉盡善也。
子、韶を謂わく、美を尽せり、又善を尽せり。
孔子が韶の音楽を評して、美の極み、善の極みだなあと言いました。