【仁(ジン)以(もっ)て己(おの)が任(ニン)と為(な)す。】と読みまして、
『仁愛』 すなわち『相手への思いやり』を実践するのを自分の任務とする、という意味です。
孔子より46歳年下の曽子が言った言葉です。
出典は『論語』泰伯第八です。
曾子曰、士不可以不弘毅。
曽子日く、士(し)は以(もっ)て弘毅(コウキ)ならざるべからず。
曽子が言いました、士たるものは広い包容力と強い意志を持たなくてはならない。
任重而道遠。
任(ニン)重くして道遠し。
(なぜかというと)その任務は重く、その人生行路ははるかに遠いからである。
仁以爲己任、不亦重乎。
仁(ジン)以て己(おの)が任(ニン)と為(な)す、亦(また)重からずや、
仁愛の実践を自分の任務とするのだから、それはなんと重いことではないか。
死而後已、不亦遠乎。
死して後(のち)己(や)む。亦遠からずや。
しかもこの重責は死ぬまで続く。何と遠いことではないか」と。