【薄氷(ハクヒョウ)を履(ふ)むが如(ごと)し。】と読みまして、薄い氷を渡って割れはしないかと心配する、という意味です。
出典は『論語』泰伯第八です。
曾子有疾。
曽子(ソウシ)、疾(シツ)有(あ)り。
曽子が危篤に陥り弟子達を呼び集めて、
召門弟子曰、
門弟子(モンテイシ)を召(め)して曰(い)わく、
弟子達を呼び集めて、言いました
啓予足、啓予手。
予(わ)が足(あし)を啓(ひら)け、予(わ)が手(て)を啓(ひら)け。
(夜具を開いて)私の足や手を調べてくれ(どこかに傷はないか)
詩云、戰戰兢兢、
詩(シ)に云(い)う、戦々兢々(センセンキョウョウ)として
詩経に、おののきおそれて身を慎み
如臨深淵、
深淵(しんえん)に臨(のぞ)むが如(ごと)く、
深い谷の断崖に立って落ち込むのをおそれる如く、
如履薄冰。
薄氷(はくひょう)を履(ふ)むが如(ごと)しと。
薄い氷を渡って割れはしないかと心配するように、
而今而後、
而今(いま)よりして後(のち)、
(私は父母からいただいたこの体を傷つけぬよう大切にして来たが、)
これからさきは、
吾知免夫小子。
吾(われ)免(まぬが)るるを知るかな、小子(ショウシ)。
その心配もなくなるのだ。(安心してあの世に行けるようだ。)そうだね、きみたちよ。