空がからりとして晴れ、海が広々としていることから、心が広々として度量が大きく、何のわだかまりもない喩に言われる四字熟語です。
【海闊天空】とも言います。
【天空】は、空が晴れ渡りどこまでも広いことです。
【海闊】は、海が広々していることを表します。
【闊】は、「門+活」から出来た形声文字です。音符号の「活」は、生命の生き生きとして勢いのある状態、
力を表します。門と組み合わさって、通る、広い の意味となりました。
【自由闊達:カッタツ】、【横行闊歩:カッポ】などの四字熟語に使われています。「濶」、と言う字も有りますが、これは「闊」の俗字です。
【天空海闊】につきましては、清の歴史学者であり文学者であった趙翼(チョウヨク)と言う人の、学問的随筆である『陔余叢考(ガイヨソウコウ)』に
海闊従魚躍
海、闊(ひろ)くして魚の躍(おど)るに従い
海は広々として自由に魚をおどらせ
天空任鳥飛
天、空(クウ)にして鳥の飛ぶに任す
大空は雲一つなく鳥が飛ぶのにまかせている
この詩は『古今詩話:ココンシワ』に記載されている句で、唐の大暦年間(766~779)の
僧元覧(ゲンラン)の、【大海魚の躍るに従い、長空鳥の飛ぶに任す】が基になっている。
という説明がありました。