【賢(ケン)を賢(ケン)として色(いろ)に易(か)へ】と読みまして、すぐれた人をすぐれた人として尊重すること、美女を尊重するのと同じようにしなさい、という意味で理解します。
出典は『論語』学而第一です。
【賢を賢として色に易へ】は、古来いろんな説があると言われています。金谷治先生の『論語』岩波文庫に記載されている「現代語訳」を引用させていただきました。
子夏曰、
子夏(シカ)曰く
子夏が言いました
賢賢易色、
賢(ケン)を賢(ケン)として色に易(か)え、
すぐれた人をすぐれた人として尊重すること美女を尊重するようにし、
事父母能竭其力、
父母に事(つか)えて、能(よ)く其の力を竭(つく)し、
父母に仕えてはよくその力をつくし、
事君能致其身、
君(きみ)に事えて、能く其の身を致(いた)し、
君に仕えては、一身を捧げて務め、
與朋友交、言而有信、
朋友(ホウユウ)と交(まじわ)るに、言いて信(シン)有らば、
友達との交際では信義を重んじる人なら、
雖曰未學、
未(いま)だ学ばずと曰うと雖(いえ)ども、
たとえ、(その人が)『(自分は)まだ学問はしていない』と言ったとしても、
吾必謂之學矣。
吾(わ)れは必らず之(これ)を学びたりと謂わん。
私はこういう人こそ既に『学問をした人』だと評価するのである。