【池塘(チトウ)春草(シュンソウ)の夢】と読みまして、池の堤の春の若草の上に寝転んで見た楽しい夢という意味です。
少年時代の、楽しくも過ぎやすい日々のたとえです。
朱子(朱熹)が作った七言絶句『偶成』の転句です。
朱熹作と言われていた『偶成』の詩は、平成に入ってから研究が進みまして、いろんな説が出ました。
日本の中世の禅宗のお坊さんの作ではないだろうか、という説が強いようです。
月日の経つのは早く、若い若いと思っているうちに年をとってしまい、その割に学問はなかなか成就しない。だから、時間を無駄にしないで学問に励みなさい、という意味の詩です。
少年易老學難成
少年老い易く 学成り難し
少年はあっという間に歳をとる、(でも)学問はなかなか完成しない
一寸光陰不可輕
一寸の光陰 軽んず可からず
(だから)チョットしたわずかな時間も無駄にしてはいけない
未覺池塘春草夢
未だ覚めず 池塘春草の夢
池の辺(ほとり)で、春草のなか、見ていた夢も覚めないうちに
階前梧葉已秋聲
階前の梧葉 已に秋声
(肌寒いと思ったら)庭先の青桐の葉には早くも秋風が吹いていた。