【長を挾(さしはさ)まず、貴を挾まず、兄弟を挾まずして友たり】と読みまして、友人との付き合いは、自分が年長であることや、身分の高いこと、有力な兄弟のいることなどを、鼻にかけるべきではない。交友の道は、その徳を以て心で許し合うものである、と孟子が言っています。
出典は『孟子』萬章章句下です。
萬章問曰、敢問友。
萬章(バンショウ)問いて曰く、敢て友を問う。
萬章が質問しました、あえて友を問う。
孟子曰、
孟子曰く、
孟子が言いました
不挾長、
長を挾(さしはさ)まず、
自分が年長者であることを鼻にかけたりしない、
不挾貴、
貴を挾(さしはさ)まず、
身分が貴いことを鼻にかけたりしない、
不挾兄弟而友
兄弟を挾(さしはさ)まずして友たり、
兄弟が立派であることを鼻にかけたりしない、
友也者友其德也、
友とは其の徳を友とするなり、
友人とは、その人の人格を友とするのであって、
不可以有挟也。
以て挾さしはさ)むこと有るべからず。
少しでも鼻にかけたり得意になったりするところがあってはならない。