【我れは當(まさ)に人の長處(チョウショ)を視(み)るべし】と読みまして、
いつでも人を視るには、その人の優れている所を視て、欠点を視ないのがよい、という意味になります。
出典は『言志晩録』70条です。
我當視人之長處。
我は当に人の長処を視るべし。
人を視るにはその人の優れている点を視て
勿視人之短處。
人の短処を視ること勿れ。
欠点を視ないのがよい。
視短處、則我勝彼、於我無益。
短処を視れば、則ち我れ彼に勝り、我に於て益無し
短所を看れば、自分が彼に勝っているので、驕りの心が生じ、
自分の修養に利するところがない。
視長処、則彼勝我、於我有益。
長処を視れば、則ち彼れ我れに勝り、我に於て益有り。
反対に人の長所を視れば、彼が自分に勝っていることが分かり、
これに刺激され励まされ、自分を磨くことになり、自分には誠に有益である。