【千人の諾諾(ダクダク)は、一士の諤諤(ガクガク)に如(し)かず】と読みまして、
おべっかをつかう者が大勢いるよりも、直言する人物が一人いるほうがよいという意味です。
出典は『史記』商君列伝です。
主君に、ただ「はい、はい」と言いなりになる臣下がたくさんいるよりは、主君にもし誤りがあった場合には、はばからずに堂々と直諫する家臣が一人いる方がまさっている。
趙良が商君を戒めた言葉です。
趙良曰
趙良、曰く
趙良が言いました、
千羊之皮、不如一狐之掖。
千羊の皮は、一狐の掖に如かず。
千匹の羊の皮は、一匹の狐の腋の下の皮にはおよびません。
千人之諾諾、不如一士之諤諤。
千人の諾諾は、一士の諤諤に如かず。
千人の盲従は、一人の志ある人物の直言にはおよびません。
武王諤諤以昌
武王は諤諤を以て昌(さか)え、
周の武王は、臣下に直言させたために昌え、
殷紂墨墨以亡。
殷紂は、墨墨を以て亡ぶ。
殷の紂王は、臣下を黙り込ませてしまったために亡びました。