【芝蘭(シラン)の室(シツ)に入(い)るが如(ごと)し。】と読みまして、
香草のかおる部屋に入るようだ、という意味で
優れた人と交際すると自然に同化されて立派な人間になる、という喩えです。
故曰、與善人居、如入芝蘭之室、
故(ゆえ)に曰く、善人と居(を)るは、芝蘭(シラン)の室に入(い)るが如(ごと)し。
そこで言うのだ、善人と共に居るのは,香草の霊芝や蘭(ふじばかま)の部屋に
はいるようなものだ。
久而不聞其香、
久(ひさ)しうして其の香(か)を聞(き)かず。
しばらくすると其の香りを感じなくなる。
即與之化矣。
即ち之(これ)と化せり
これはそのにおいに同化したからだ。
與不善人居、如入鮑魚之肆、
不善の人と居るは、鮑魚(ホウギョ)の肆(シ)に入るが如し、
善人ではない人と交わっていると、干物を売っている店に入り、
久而不聞其臭、亦與之化矣。
久しうして其の臭(シユウ)を聞かず、 亦(ま)た之(これ)と化(カ)せり。
やがてその臭気に同化して、臭いのが分からなくなるように、
いつのまにかよからぬ者になっている。