【往(ゆ)く者は諫(いさ)むべからず、来(き)たる者は猶(な)お追うべし。】と読みまして、
過ぎたことは諫めても無駄だが、これからのことはまだまにあう、という意味です。
出典は『論語』微子篇です。
楚狂接與歌而過孔子、
楚の狂(キョウ)接與(セツヨ)、歌いて孔子を過ぐ、
楚のもの狂い接與が歌いながら孔子のそばを通りすぎた、
曰、鳳兮鳳兮,何德之衰也、
曰わく、鳳(ホウ)よ鳳よ、何ぞ德の衰えたる。
「鳳よ鳳よ、何と徳の衰えたことよ。
往者不可諫也、來者猶可追也、
往く者は諫むべからず、来たる者は猶お追うべし。
過ぎたことは諫めても無駄だが、これからのことはまだまにあう。
已而已而、
已(や)みなん已みなん。
やめなさい、やめなさい、
今之從政者殆而、
今の政に従う者は殆(あやう)し。
今の世に政治に与かるとは危ういことだ。」
孔子下欲與之言、
孔子下りてこれと言わんと欲す。
孔子は(車を)降りて彼と話をしようとされたが、
趨而辟之、
趨りてこれを辟(さ)く。
小走りして避けたので、
不得與之言、
これと言うことを得ず。
話すことができなかった。