【人は須(すべか)らく事上(ジジョウ)に在(あ)りて磨練(レンマ)し、功夫を做(な)す。】と読みまして、
人は、事に当たりつつ意志を鍛錬していく努力をするべきである、という意味です。
中国明代の王陽明の説く自己修養のあり方を表わした考え方です。
出典は『傳習錄卷之下です。
宋代、老荘思想や仏教の考え方をとりいれて、坐って修養する『靜坐』という方法がありました。
王陽明は、自分でも『靜坐』をやってみましたが効果が無いと判断し、【事上磨練】に到達しました。
人須在事上磨錬、
人は須らく事上に在りて磨錬し、
人は、事に当りつつ意志を鍛練し
做功夫及有益。
功夫(クフウ)を做(な)すべし。及(すなは)ち益有り。
努力をすることによって、効果が上がる。
王陽明の思想が実践的であると言われる所以であり、【知行合一:チギョウゴウイツ】と共に『陽明学』の
根本を成す、考え方です。