【己(おのれ)の陰事(インジ)は、宜(よろ)しく人の之を説(と)くに任(まか)すべし】と読みまして、
自分の隠し事は人が言うのに任せておけばいい、という意味です。
出典は『言志耋録』110条です。
己之陰事、宜任人之説之。
己の陰事は、宜しく人の之れを説くに任すべし。
自分の隠し事は人が言うのに任せておけばいい。
人之陰事、我則不可説。
人の陰事は、我れは則ち説く可(べ)からず。
(しかし)他人の隠し事を自分が話してはいけない。
我之所為、只是一誠、則實無陰陽之別耳。
我れの為す所只だ是れ一誠なれば、則ち實に陰陽の別無きのみ。
何事も誠心誠意をもってすれば、
隠したいことだの、隠さないでよい事だのという区別はあるべきはずがない。