死と生とは天命のしからしめるところで、人間の力ではいかんともなし難い。
出典は『荘子』内篇:大宗師篇です。
荘子の言葉で、
一日に夜と昼とがあってそれが一定不変の天の法則であるように、死生もまた他の力では、
どうにもならない、天命によるものであることを言っています。
死生命也。
死生は命なり。
死があり生があるのは、運命である。
其有夜旦之常天也。
其の夜旦(ヤタン)の常あるは天なり。
夜と朝とのきまりがあるのは、自然である。
人之有所不得與、皆物之情也。
人の与(あずか)るを得ざる所あるは、皆物の情なり。
人間の力ではどうすることも出来ない点のあるのが、すべての万物の真相である。
彼特以父為天、而身猶愛之、
彼特(た)だ父を以て天と為して、身は猶(な) おこれを愛す、
人は自分の父でさえ天ともあがめて、これを敬愛するのだから、
而況其卓乎。
而(しか)るを況(いわ)んや其の卓(たく)たるをや。
まして万物から卓越したものを敬愛するのは当然であろう。