【芹 乃(すなは)ち栄(さか)う】は、「芹がよく生育する」といった意味です。
七十二候の一つ。二十四節気の『小寒:1月6日~19日』の初候にあたり、1月6日~1月9日に相当します。昨年の立春から数えて、67番目の候にあたります。季節は晩冬です。
また、小寒のなかの七十二候は
初候 【芹 乃ち栄う】
次候 【泉水(しみず)、温(あたた)かをふくむ】
末候 【雉(きじ)始めて雊(な)く】 です。
芹は春の七草のトップに挙げられています。
トップに挙げられるだけのいいお話があります。
聖徳太子、27歳のときの行幸の際、沿道の人々が太子をひと目見ようと人垣をつくっていました。
その中でたった一人無心で芹(せり)を摘んでいる少女がいました。
この少女を聖徳太子が不思議に思い、声を掛けたところ、
少女は、「母親が病気で看病のために芹を摘んでいて、太子の行幸を見送ることができません。
お許しください」と答えました。
太子は少女の親孝行の気持ちに感心し、歌を1首贈りました。少女は太子に対して返歌を
贈ったのですが、この返歌がすばらしかったので、太子は再び感心し、少女は後に太子の妃に
なりました。
この方が、膳大娘女(かしわでのおおいらつめ)で、また芹摘姫(せりつみひめ)と呼ばれました。