物にはすべて、必ずそうなるという結果があり、事には本来そうあるべき道理があるということです。
出典は『史記』孟嘗君列伝第15です。
孟嘗君の食客の一人,馮驩(フウカン)との会話です
夫物有必至。
夫れ物には必至(ヒッシ)有り。
そもそも、物には必然の結果があり
事有固然。
事には固然(コゼン)有り。
事には当然の道理があります。
君知之乎。
君、之を知るか、と。
(孟嘗君様)おわかりになりますか。
孟嘗君曰、愚不知所謂也。
孟嘗君(モウショウクン)曰く、愚にして謂ふ所を知らざるなり、と。
孟嘗君が言いました、愚かなもんで先生の仰ってる意味が解りません。
曰、生者必有死、物之必至也。
曰く、生者に必ず死有るは、物の必至なり。
(馮驩が)言いました、生あるものが必ず死ぬのは、物の必然の結果であります。
富貴多士、
富貴なれば士多く、
富貴であれば多くの士人が集まり、
貧賤寡友、
貧賤なれば友寡(すく)なきは、
貧賤であれば友が寡ないのは
事之固然也。
事の固然なり。
事の当然の道理であります。