物を食べても、その味がわからない。
事をなすにはそれに専心しなければ効果を上げることができないたとえです。
出典は四書の『大學』にある言葉です。
心不在焉、
心(こころ)焉(ここ)に在(あ)らざれば、
心が(よそに奪われて)ここに存在しないとなれば、
視而不見、
視(み)れども見(み)えず、
目を凝らしても見えず
聴而不聞、
聴(き)けども聞(き)こえず、
耳を澄ましても聞こえず、
食而不知其味、
食らえどもその味を知らず、
食べてもその味が分からない。
此謂脩身在正其心
此を、身を脩(おさ)むるは其の心を正すに在り、と謂う。
これを、わが身を修めるにはまず自分の心を正さなければいけない、というのである。