自ら欺かない人は、他人を欺くことはない、という意味です。
出典は『言志晩録』211条です。
不自欺者、人不能欺。
自ら欺かざる者は、人欺く能わず。
自ら欺かない人は、他人を欺くことはない。
不自欺誠也。
自ら欺かざるは誠なり。
自ら欺かないということは、その人の心が誠であるからである。
不能欺、無閒也。
欺く能わざるは間無ければなり。
他人が欺くことができないというのは、欺く隙間がないからである。
譬如生気自毛孔出。
譬えば生気の毛孔より出ずるが如し。
たとえば、生き生きとした気が、毛穴から出ているようなものである。
気盛者、外邪不能襲。
気盛なる者は、外邪(ガイジャ)襲うこと能わず。
その気が盛んであれば、外からの邪気が襲うことができないようなものである。