苦労して学問に励むことを表す四字熟語です。二人の努力家のお話が凝縮されています。
「蛍雪」の「蛍」は晉(シン)の車胤(シャイン)の逸話です。
晉の車胤は恭勤(キョウキン)にして倦(う)まず、博覧多通(ハクランタツウ)なり。家貧にして常には油を得ず。夏月(カゲツ)には則ち練囊(レンノウ)に数十の蛍火(ケイカ)を盛り、以て書を照らし、夜を以て日に継ぐ。
【小生の意訳】 晉の車胤は、慎み深く勤勉で、飽きることなく学問に打ち込んでいました。物知りでした。家は貧しかったので、油を買うのにことかいていました。夏は袋に蛍を数十匹入れて、その明かりをたよりに、夜を日に継いで勉強しました。
次に「蛍雪」の「雪」のお話は、同じ晉の孫康(ソンコウ)のエピソードです。
孫康、家貧しくして油無し。常に雪に映(て)らして書を読む。少小にして清介、交遊雑ならず。後に御史大夫(ぎょしたいふ)に至る。
【小生の意訳】 孫康(そんこう)は家が貧しくて、油がなかった。いつも雪明かりで読書していた。若いときから清廉潔白で、友人も立派な人ばかりであった。後に御史大夫となった。
以上が卒業式で歌われる「蛍の光」の故事来歴です。 「蛍の光」は2番までしか歌われませんが、4番まであります。でも3番、4番は 軍国主義とも取られかねないということからあまり歌われなくなったそうです。
1番 : 蛍の光 窓の雪。 書(ふみ)読む月日 重ねつつ。
いつしか年も すぎの戸を。 開けてぞ今朝は 別れゆく。
2番 : とまるも行くも 限りとて。 互(かた)みに思う 千万(ちよろず)の
心のはしを ひとことに。 幸(さき)くとばかり 歌うなり。
3番 : 筑紫のきわみ 陸(みち)の奥。 海山遠く へだつとも。
その真心は へだてなく。 ひとえに尽くせ 国のため。
4番 : 千島の奥も 沖縄も。 八洲(やしま)のうちの まもりなり。
いたらん国に いさおしく。 つとめよわがせ つつがなく。
受験生の皆さん頑張って下さい。