【人(ひと)一世(イッセイ)の間(カン)に居(お)ること、忽(コツ)として風吹(フウスイ)の塵(ちり)の若し。】と読みまして、
人のこの世に生涯を送るさまは、風に吹かれる塵のように遽しい、という意味です。
出典は曹植(ソウチ)の『薤露行:カイロコウ』五言古詩です。
天地無窮極,
天地 窮極無く、
天地は限りなく、
陰陽轉相因。
陰陽 転じて相い因(よ)る。
太陽と月、四季は繰り返しつづく。
人居一世間,
人一世の間に居ること、
だが、人の送る生涯は、
忽若風吹塵。
忽として風吹の塵の若し。
まるで風に吹かれる塵のよう。
願得展功勤,
願わくは 功勤を展ぶるを得て、
願うに、存分の働きをし、
輸力於明君。
力を明君に輸【いた】さん。
力のすべてを、明君にささげたい。
懷此王佐才,
此の王佐の才を懐【いだ】き、
私はこの王を輔佐する才能を抱き、
慷慨獨不群。
慷慨して独り群ならず。
慷慨するが、我独り。群れをなさず。