【人は皆、将来を図(はか)れども、而(しか)も過去を忘る】と読みまして、
人は皆これから先のことを考えて、過去の経験を忘れてしまっている、という意味になります。
出典は『言志晩録』193条です。
人皆図将来而忘過去。
人は皆将来を図れども、而も過去を忘る。
人は皆これから先のことを考えて、過去の経験を忘れてしまっている、
殊不知過去乃爲将来之路頭。
殊(こと)に知らず、過去は乃ち将来の路頭(ロトウ)たるを。
殊に、過去が結局は将来の出発点であることが分かっていない。
知分知足、在於不忘過去。
分を知り足るを知るは、過去を忘れざるに在(あ)り。
自分の分限を知り、現状に満足していることは、つまり過去を忘れないという事にあるのだ。