太山(タイザン:泰山)はどんな土でも嫌わないで受け入れるから、あのような高山になった。
転じて、人の上に立つ人物も、度量を広くして、多くの人を受け入れるべきだ、という教えです。
出典は『史記』李斯(リシ)傳です。
太山不讓土壤、故能成其大。
太山は土壤を讓らず、故に能(よ)くその大を成す
太山はひとかけらの土壌をも譲らないからこそ、あれだけ大きな山になったのであり、
河海不擇細流、故能就其深。
河海は細流を擇(えら)ばず、故に能くその深きを就(な)す。
河海は一筋の細流たりとも拒まないからこそ、あれだけ深い流れになったのである。
王者不卻衆庶、故能明其德。
王者は衆庶(シュウショ)を却(しりぞ)けず、故に能くその德を明らかにす。
王者は一人の人間たりとも退しりぞけないからこそ、德が明らかなのであります。
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として、8月11日が『山の日』と定められました。