教養ある人は、人に贈るのに善言を以てし、一般庶民は人に贈るのに財物をもってする。
善言が金銀珠玉の財宝にまさることは言うまでもありません。
出典は『荀子』大略篇です。
晏子從於郊曰、
晏子郊に從ひて曰く、
晏子は(離別の情に堪えず)、郊外までついて行って言うには、
嬰聞之。
嬰之を聞けり。
私はこういう言葉を聞いている。
君子贈人以言、
君子は人に贈るに言を以てし、
君子は、人に贈るに善言を以てし、
庶人贈人以財、
庶人は人に贈るに財を以てす、
庶民は人に贈るのに財物をもってする、
嬰貧無財、
嬰、貧にして財無し、
私は遺憾ながら貧乏で、財物を持たないので、
請假於君子、
請ふ君子に假りて、
仮に君子の真似をして
贈吾子以言。
吾子に贈るに言を以てせん。
貴君に言葉をお贈りしたいと思う。