大人物は、その大きさが表れるのに時間がかかります、と言う意味です。
『老子』四十一章にある言葉です。「大方(たいほう)は隅無く、大器は晩成なり」とありまして、途方もなく大きな四角は角がどこにあるか分からないし、はかり知れない大人物はいつ現れるか分からない。と言うように逆説的な表現でそれらを強調しているようです。ですからいまの世、大人物だと言われているような人たちは、それほどでもないということでしょうかね。
『老子』につきましては加島祥造さんの「タオ 老子」ちくま文庫がお薦めです。八十一章すべてをすばらしい詩で表現しています。
「大器晩成」のところを、転記させて頂きます。読み下し文に続けて加島祥造さんの詩を掲げました。
大方は隅無く、・・・・・だいたい、とっても大きなものは四方の隅が見えない。
大器は晩成し・・・・・人間も、とんでもなく大きな才能は、はじめ薄馬鹿に見えるのだ
大音は声希かに・・・・うんと大きな音は、かえって耳に入らないし
大象は形無し。・・・・・大空に出来る形は千変万化して捉えどころがない。
道は隠れて名無し。・・・・同じようにタオの働きは、名のない領域から出てきて
夫れ唯だ道のみ善く貸して且つ善く成す。・・黙って力を貸して、万物を助けるのさ。
大器晩成待たれるところです。 ヒョッとして新大阪市長かしら。