王維の『元二(ゲンジ)の安西(アンセイ)に使いするを送る』の詩を言います。
友人の元二を送って、長安郊外の渭城で別れを惜しんだ際に作った詩の結句に基づいています。
古来この結句:西のかた 陽関(ヨウカン)を出ずれば 故人(コジン)無からん、は別れの情を込める
意味で三回繰り返して歌われる習わしになっているようです。
渭城朝雨浥輕塵
渭城(イジョウ)の朝雨(チョウウ) 軽塵(ケイジン)を浥(うるお)す
渭城に降る朝の雨が、軽く舞い上がる塵を潤している
客舍青青柳色新
客舎(カクシャ)青青(セイセイ) 柳色(リュウショク)新(あら)たなり
宿屋の前にはある柳の色は、青々としてみずみずしい
勸君更盡一杯酒
君(きみ)に勧(すす)む 更に尽くせ 一杯の酒
いよいよ旅立つ元二君、もう1杯酌み交わしてくれ
西出陽關無故人
西のかた 陽関(ヨウカン)を出ずれば 故人(コジン)無からん
西の方、陽関を出たならば、一緒に酒を飲むような友達もいないだろ。