災いも幸福もみな同じ門から入って来る。
禍福はいずれもその人自身が招くものであるから、十分に心しなければならないということです。
出典は『淮南子』人間訓です。
禍與福同門,利與害為鄰。
禍と福とは門を同じくし、利と害とは鄰を為す。
禍と福とは出てくる所は同じであり、利と害とは隣り合わせである。
非神聖人,莫之能分。
神聖の人に非ざれば,之を能く分つ莫し。
神聖の人でなければ、それを能く区別することは出来ない。
凡人之舉事,
凡そ人の事を舉ぐるに,
大体、人が何か事を起こそうとする時は、
莫不先以其知規慮揣度,而後敢以定謀。
先ず其の知を以て規慮揣度し,而る後に敢て以て謀を定めざる莫し。
先ず自分の知力を働かして、計画し、思慮し、推察し、
それから後に計画を定める、そうしない人はいない。
其或利或害,此愚智之所以異也。
其れ或いは利し或いは害するは、此れ愚・智の異なる所以なり。
或る者が利を得て、或る者が害を被るのは、
これこそ、愚・智の違いによるものである。