今日12月22日は冬至です。「一陽来復」は冬至と結びつけられて使われることが多いようです。冬至は二十四節気の一つですし、「一陽来復」は中国古典からの言葉です。言わんとしていることは似ていましても、出所は全く違います。
広辞苑によりますと「一陽来復」は
① 陰が極まって陽がかえってくること。陰暦11月または冬至の称。
② 冬が去り春が来ること。
③ 悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方に向いてくること。
と出ていました。
「四書五経」の一つ『易経(えききょう)』の中にある四字熟語です。「易」は陽という棒「陽爻(ヨウコウ)」と陰という棒「陰爻(インコウ)」を組み合わせて64種類の卦(ケ)を作って吉凶を占います。「陰陰陰陰陰陽」の組み合わせの卦を「復」といいます。「復」は「願い事はかない、出処進退ともに害なく、すべてもとの道に帰るという時期で、失せ物などは七日たてば帰って来る」という占いだそうです。 「一陽来復」そのものの表面上の意味は、陽が一つある「復」という状態が来ました、と言うくらいの意味です。
夏至から徐々に日が短くなり、即ち「陽の気」が少なくなり、「陰の気」が勝っていきます。冬至に到って「陰の気」のピークとなり、その後「陽の気」がよみがえります。という考え方を「一陽来復」に結び付けて、広辞苑の③にあるような「悪い事ばかりあったのがようやく回復して善い方に向いてくること」と言う意味、解釈が生まれてきたようです。
今の福島に「一陽来復」が来らんことを願ってます。