【公に奉じ法を守る】と訓読みされまして、公務を遂行し、法をきちんと守ることを言います。主に公務員の務めを言った言葉です。
『史記』廉頗(レンパ)藺相如(リンショウジョ)列伝に【公に奉ずること法の如くす】の文章で記載があります。
趙奢(チョウシャ)は、趙の農地税係の役人です。
王族である平原君の家では、税金を納めようとしませんでした。
趙奢は、法にてらして取り調べ、平原君の家政をとりしきる者、九人を処刑しました。
怒った平原君は、趙奢を殺そうとしました。
趙奢は、すかさず言いました。
あなたは趙にあって王子の御身分です。
いまあなたの家の不正を放任しておいて、お上の御用をはたさぬのでは、法の威力が無くなります。
法の威力が無くなれば、國は弱くなり、諸侯に攻められて国は滅びてしまいます。
以君之貴、
君の貴(たか)きを以て
あなたのような高貴の方が
奉公如法則上下平、
公に奉ずること法の如くせば、則ち上下(ショウカ)平(たいら)かならん、
法に従い公の義務を果たされるなら、上下の不公平はなくなります。
上下平則国強、
上下平かなれば、則ち國強からん、
上下が公平になれば、国が強くなり
国強則趙固、
国強ければ、則ち趙は固からん、
國が強くなれば、趙は安定します。