【愛 屋烏(オクウ)に及ぶ】と読みまして、人を愛すると、その人の家の屋根にいる烏(からす)まで可愛いと思い愛するようになる。
愛情がつのってくると、その人に関係するものすべてに愛情を持つようになるたとえです。
出典は『説苑:ゼイエン』貴德(キトク)篇です。
周の武王が殷の紂王を倒した後、殷の人々をどうしたらいいものかを太公望呂尚(リョショウ)に尋ねました。
太公對曰
太公、対(こた)へて曰く
太公が答えました
臣聞
臣聞く、
私はこんなふうに聞いております
愛其人者、兼屋上之烏、
其の人を愛する者は、屋上の烏を兼ね、
その人を愛する者は、その人の家の屋根の上にいる烏まで可愛くなる
憎其人者、惡其餘胥。
其の人を憎む者は、其の余胥(ヨショ)を悪(にく)むと。
その人を憎む者は、その人の使用人まで憎くなる。