まだ知らないことを身近な問題として取り上げ、熱心に問いただして考えることを表す四字熟語です。
【切問】は、とことん探求する、と言う意味です。この場合の【切】は「切る」と言う意味ではなく、
「しきりに~する」という意味です。「親切」も「しきりに親しむ」という意味で、
オヤを切ったりすることではありません。
【近思】は、【近く思う】ということで、身近な実際問題として考えることを意味しています
出典は『論語』子張十九篇です。
孔子の門人で「孔門十哲」の一人子夏(シカ)の言葉として出ています。。
子夏(B.C.507年?~B.C.420年?)は、姓は卜(ボク)、名は商(ショウ)。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」で「及ばざる」と評価された人物です。
魏の文侯(B.C.424~B.C.387)に招かれ、その師となりました。李克(リコク)・呉起(ゴキ)・西門豹(サイモンヒョウ)はその学生です。
子夏曰く、博(ひろ)く学びて篤く志し、
子夏が言いました、広く学んで志を厚くし、
切(せつ)に問ひて近く思ふ。
(大事な問題は)とことん探求して、さらにそれを身近な問題としてとらえる。
仁其の中(うち)に在り。
仁の徳はそこにおのずから生まれるものだ。
【仁】と言うのは、「思いやり」という一面を持っていますので、【切問近思】するというのは、【仁】に近づくことでもあるようです。