生涯を通じて工夫しなければならないこと、すなわち『よく考えて実行すること』と言う意味であろうと思います。佐藤一斎先生が、人生の結論となさった言葉が『誠意は是れ終身の工夫なり』だと思います。
出典は『言志耋録』第339条です。
『言志録』、『言志後録』、『言志晚録』、『言志耋録』をまとめて『言志四録』と言っています。
誠意。是終身工夫。
誠意は是れ終身の工夫なり。
心を誠にする事は生涯を通じて工夫しなければならないことである。
一息尚存、有一息之意。
一息(イッソク)尚お存すれば一息の意有り。
一息でもある間は、そこに一息の心があるのだから、この心を誠にしてなくてはならない
臨没只要澹然無累。
臨没には只だ澹然(タンゼン)として累無きを要す。
臨終には、ただ、さっぱりと心に何らの煩(わずら)いがないことが肝要で、
即是臨没之誠意。
即ち是れ臨没の誠意なり。
これが臨終の誠意ということである。