一歩一歩、休まずに山路を高く登っていくこと。それによって学問などが着実に向上進歩することのたとえです。
出典は『通俗編』祝誦です。
南宋の梅應發は聰明で、十歳のとき詩を作る程でありました。群の長官が呼び寄せてその學才を試問しました。
曰、我本山中人、
曰く、我は本(もと)山中の人、
私は山育ちの者ですから、
慣走山中路
山中の路を走るに慣れ
山路を歩くのには慣れておりまして、
不用倩人扶
倩人の扶(たす)けを用いず。
わざわざ人の助けを借りるようなことはございません。
一歩高一歩
一歩は一歩より高し。
一歩一歩と高く登るだけです。
後登淳裕進士
後、淳裕の進士に登る。
後、淳裕年間(1241年~1252年)の進士に及第しました。