七十二候の一つで、3月15日~3月20日に相当する季節を言います。二十四節気の啓蟄(3月5日~3月20日)の最後の5日間です。【菜虫、蝶となる】は、【青虫が羽化して紋白蝶になる】という時季をあらわします。
【菜虫】は、大根や蕪(かぶ)などのアブラナ科の野菜を食べる昆虫の総称です。
特にモンシロチョウの幼虫、青虫を言います。
蝶のことを「夢虫」や「夢見鳥」と言うことがあります。
『荘子』の齊物論篇の最後に記載されている『胡蝶の夢』に由来します。
むかし、荘周は自分が胡蝶になった夢を見た。
喜々として胡蝶になりきっていた。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。
荘周であることは全く念頭になかった。
ふと目が覚めると、まぎれもなく荘周である。
荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、
それとも(自分は実は胡蝶であって)蝶が荘周になった夢を見ているのだろうか。
二十四節気の【啓蟄】、七十二候の【菜虫、蝶となる】の次ぎは【春分:3月21日~4月4日】です。
【春分】の最初は【雀始めて巣くう:3月21日~3月25日】です。