河の橋のたもとでの別れのことで、旅立つ人を見送って川の橋のたもとで別れることを言います。
前漢・武帝の時、匈奴に捕らえられ単于(ゼンウ)の娘を妻とし右校王となっていた李陵(リリョウ)が、同じく匈奴に捕らえられていた蘓武を、故国に帰るということで作った『蘇武に与ふるの詩』にでています。三首ありまして、下記は三首目の一部です。
携手上河梁
手を携えて河梁に上る
手を携えて、橋のたもと
遊子暮何之
遊子暮に何(いず)くにか之(ゆ)く
君、どこへ行く
徘徊蹊路側
蹊路の側(ほとり)に徘徊し
小道のほとりを彷徨いて
悢悢不得辞
悢悢(リョウリョウ:悲しみいたむ)として辞するを得ず
悲しみに、言葉も無し。