いろいろの化け物。山中の怪物と水中の怪物。とにかく、わけの分かんない化物を表します。
魑:チ。山林の精気より生じるばけもの。
魅:ミ(呉音)。ビ(漢音)。もののけ。ばけもの。
魍:モウ(呉音)。ボウ(漢音)。山水・木石の精気から生じるという怪物。
魎:リョウ。山川に住むという想像上の怪物。
『春秋左氏伝』魯宣公三年(B.C.606)の時に、楚の荘王が「鼎の軽重」を周の太夫王孫滿に問います。「鼎の価値は、所有者の徳で決まるのであって、鼎の重さには無関係です」と答えます。「夏王朝の徳が人民を魑魅魍魎から守りました」とのたとえの中で魑魅魍魎がでてきます。
『史記』五帝本紀の舜の事績を述べているところで、「舜は凶悪な四家系の者どもを流刑に処して四方の辺境に移し魑魅(山林中にいる怪物、人に害をする)を防がせました」となっていて魑魅がでてきました。
いまでも、「魑魅魍魎」は新聞紙上で、わけの分かんないものを表現するのによく使われています。