一歩一歩、休まずに山路を高く登っていくように、学問などを順序を踏んで着実に向上進歩するたとえです。南宋で進士に及第した梅應發(バイオウハツ)の話です。
出典は『通俗編』祝誦です。
梅應發十歳能詩、
梅応発(バイオウハツ)、十歳にして詩を能くし、
梅応発(バイオウハツ)は、(聡明で)十歳のときから詩を作る程でした、
群守延而試之。
群守、延(まね)きて之を試(こころ)む。
群の長官が呼び寄せて、その学才を試問しました。
曰我本山中人、
曰く、我本(もと)山中の人、
私は山育ちの者ですから、
慣走山中路、
山中の路(みち)を走るに慣れ、
山路を歩くには慣れておりますので
不用倩人扶。
倩人(セイジン)の扶けを用いず。
やとい人などの助けは要りません。
一歩高一歩。
一歩は一歩よりも高し。
一歩一歩と高く登るだけです。