【光陰矢のごとし】と訓読みされます。月日が矢のように瞬く間に過ぎ去ってしまうことを表した四字熟語です。
月日が過ぎ去るのは、飛ぶ矢のように非常に早いから無駄に過ごさないように、という戒めを含めた四字熟語のようです。
【光陰】は昼と夜、また、日と月などの意味から、年月、時間の意味を表します。
【箭】は、音読み「セン」で、意味は「や・矢」です。
【光陰如箭】ないしは類似の表現はいろいろなところに出てきています。
1)李益(リエキ:748年~827年。中唐の詩人。結構嫉妬深い人だったそうです)の漢詩「遊子吟」に
【光陰如箭】が出ているそうです。
2)「禅門諸祖偈頌(ゼンモンショソゲショウ)」
光陰如矢、時不待人。 光陰矢の如し、時人を待たず。
3)蘇軾(ソショク:1036年~1101年。北宋の文豪)の「行香子 秋興詞」
朝來庭下 朝來庭下
光陰如箭 光陰矢のごとし
似無言 無言に似て
有意傷儂。 意の儂(われ)を傷(いため)る有り。
4)朱熹(シュキ:1130年~1200年。南宋の儒学者。朱子學の祖)の「偶成」
少年易老学難成 少年老い易く 學成り難し
一寸光陰不可軽 一寸の光陰 軽んずべからず
未覚池糖春草夢 いまだ覚めず 池糖(チトウ)春草の夢
階前梧葉已秋声 階前の梧葉(ゴヨウ)すでに秋声
ただし「偶成」は朱熹の作と言われてきましたが、疑わしいようです。
早いものです【今日の四字熟語】を担当させて頂きまして、11月20日で丁度、一年になりました。
四字熟語はまだまだ沢山あります。
故事来歴のある四字熟語を中心にご紹介していきます。
出来る限り時宜を得たものにしたいと思っているのですが、苦慮しています。
2年目に入ります。宜しくお願いします。