直径が一尺もある貴重な璧(宝玉)よりも、少しの時間の方を重んじる、という意味です。
日は移り月は巡って、時間というものは人と足並みをそろえてくれない、だから一尺の宝玉よりも、時間を
大事にするのだ。
時は得難く失い易し、とも言っています。
出典は『淮南子』原道訓です。
夫日回而月周、時不與人游。
夫(そ)れ日回(めぐ)りて月周(めぐ)り、時は人と遊ばず。
日は流れて月もまた流れ、時は人を待たず、
故聖人不貴尺之璧、而重寸之陰。
故に聖人は尺璧(セキヘキ)を貴(たっと)ばずして、寸の陰を重んず。
故に聖人は一尺もある宝玉は大事にしないで、わずかな時間を重んずる。
時難得而易失也。
時は得難くして失い易(やす)ければなり。
時は得難くして失い易いからである。