幅広く学び、学んだことを集約してそれを実行するのに、世の規範に基づいて実行することを言います。
出典は『論語』雍也篇です。
子曰、君子博學於文、
子曰く、君子は博(ひろ)く文を学び、
孔子が言いました、幅広く学び、教養を豊かにするとともに、
約之以禮、
これを約するに礼を以てせば、
学んだことを集約してそれを実行するのに、礼すなはち、世の規範に基づいて実行するなら、
亦可以弗畔矣夫、
また以て畔(そむ)かざるべきか。
道にそむくことはないだろう。
孔子の考えていた学問論は、広い知識、教養を必須とし、ただ学ぶだけではなく、学んだことを実行しなければいけないということです。
実行するに際しては、時代、環境に即したかたちで実行すること、といってます。
孔子が学団を形成して、その目標としたのは、教養人を育てることでした。
人が教養人とならないのであるなら、博学も、深い教養も、また円熟した技術も何等価値のないものになってしまいます。
孔子が目指した本意は、教養人として育てた弟子たちを各国へ送り込み、春秋の戦乱に終止符を打ち、理想とした周初の世界を実現しようとしたことでした。
実現はしませんでした。